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2000年2月 の日記

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2000/02/29 (火)
■4262HP

ひぇえ…


2000/02/28 (月)
■4253ペソ

日が変わって6時になったというのにぃぃぃ…ぐあ


2000/02/27 (日)
■4236人の思考

うーーー行って来まぁ


2000/02/26 (土)
■4232人におはよう。

そして、おやすみ。
日曜日になっていた。しかも、AM9:30だ。
花粉症はいきなり爆発モードだ。
そして、相変わらず「ぐはぁつ!」と叫んでいる。


2000/02/25 (金)
■4221人の閲覧者

胃が弱っております。口内炎出来ております。
キャパ越え気味であります。
そして、恐れていた花粉症であります。
今年もそんな時期です。おかげでさらに頭が回りません。

ややややばーーーーばばんばんばん


2000/02/24 (木)
■4214人の通行人

や、ややや。まじでやややばばばーーーーーぐわーーっ(am4:00)


2000/02/23 (水)
■4204人のやや復活したお客様

くああぁ〜〜たしけてぇ…くふぅ。


2000/02/22 (火)
■4190人のもりもり減っていく閲覧者

うぅ、寝る暇が…。2時間ほど意識を失った。


2000/02/21 (月)
■4185人のお客さんごめんなさい
「ただいま」と言った僕の時計は午前6時。


2000/02/20 (日)
■4174人に捧ぐ(嘘)。マリマリの続き。第6回。フィクション

 次の日。
「よし、今日の授業はこれで終わりだ。」
 社会科の先生が手に付いたチョーク粉を払い落としながら言った。
「きりーーつ。れーーい。」
「ありがとうございました〜」
 その言葉を合図に、俺は鞄を持って駆けだした。当然、寝ないで考えたアイデアを実行するのだ。
「おい、弘司!! 掃除当番!」
 クラスメイトが猛然と駆けていく俺に声をかけるが、それどころじゃない。
「すまん、借りは返すから!」
 何の仮だか分からないが、とりあえず学校を後にした。

 そのままダッシュで向かった先は、銀行。今まで貯めておいた、雀の涙ほどの貯金を下ろして財布に詰める。
「5万円しかないじゃないか…」
 予算的に、ぎりぎりのラインだった。
「仕方がないな。今月は昼飯を抜いて、また貯め直すか……」
 その足で、今度は通りの向かい側にあるお店を目指す。
 パソコンショップ。今日の買い物は、翻訳ソフトだ。1本約2万5千円の翻訳ソフトを、日→英、英→日の2種類で、マリとコミュニケーションを取ろう、そういう計画なのだ。
 商品陳列棚から、目的の翻訳ソフトを見つけると、何も考えずにレジに出した。
「併せて5万と320円になります。はい、5万500円お預かりいたします。」
 持ち金のすべてを失ったショックはさすがに大きいが、マリの神経衰弱に比べたらチョロいもんだ。そうして自分を納得させながら、家に帰った。

 家に帰って、早速家のパソコンに買ってきたソフトをインストールする。
 軽く操作方法を確認して、すでに帰ってきたマリを部屋に呼ぶ。

「マリ、すっごいものを、買ってきたんだ。これだよ。これ!」
 そして、かちゃかちゃとキーボードを叩く。
 瞬間、マリの目が、光を取り戻したように見えた。


2000/02/19 (土)
■4160人…昨日よりは…
ギャルゲーと18禁は、違うよ。そこんとこだけ、分かって欲しいね。
一般人の感覚からしたら、(恥ずかしさのあまり)もだえ苦しみ系がギャルゲーで、18禁はほんとに18禁。
そこんとこ、勘違いされたら困るね。
だから、コンシューマ用ギャルゲーで、「サービスシーン」とか言って、なんかパンツみえてたり、露出高かったりすることあるけど、そういうの、いらないの。それが目的じゃないの。
それだけ、分かって欲しいね。
ん。別に分からなくてもいいんだけどね。
あと、ギャルゲーやる人は恋愛敗者だっていう、そう言う認識。良くないと思うのね。
当たってる人もいるだろうし、はずれてる人もいるだろうし。
偶然の一致を、それが当然のように語られるのは、良くないと思うのね。
ま、少なくとも今の僕には当たっちゃってるけど(あかんやん!)

そう言うことが言いたいのじゃなくて、とにかく、ギャルゲー、一本くらい、完成させてさ、コミケ連れてってよ>めいちゃん


2000/02/18 (金)
■4145人…あいや、少ないのぅ…
仕事量がちょっとキャパを越え気味なので、ストレスも俄然絶好調でたまっていく。くはぁっ! お前らぁ!! な、気分。
まぁ、笑ってられるくらいなので、そんなに大したことではないと思うが。
とりあえず明日あたり、あほらしい雑務をなんとか他人に押しつけられないか(笑)、相談してみよう…。
でないと、身が持ちません。ええ。持ちませんとも。
だって、もともと要領悪いみたいだし。僕ちゃん。

ああ、くそっ、実力、ぜってー、あがってないぞ…。
なんかさぁ、1日中プログラムやってる割には分かってないこと多くて、
自分自身に腹が立つよ。
学生のころ、もっと積極的にいろいろ実験しとけばなぁ…。
なんて、「まさか、自分が思うようになるとは!」
な気分だ…。んー…。ジジイになったのかなぁ。
くふぅ


2000/02/17 (木)
■4132over 1日やく13人…? うぐぅ
ちょい究極的に忙しいので、ここ二日間の日記はゴメンなさいな感じです。
1日10回ほどカウンタが回ってるみたいで、はうぅ。
睡眠時間を、ください。


2000/02/16 (水)
つな缶〜
ひえぇええー

おやすみ(40時間近く起きていたのでねむいのなんのって…


2000/02/15 (火)
いよいよ〜(T-T
うひーっ…あ、あかん。(どっかの漫画家のマネ)
なんて冗談やってる場合じゃない…。


2000/02/14 (月)
■百式
 現在15日、朝4時、会社。
 さすがに眠い。ちょっと気分転換。

■別物新規フィクション
「先生、質問があります。」
「ん? なんだ?」
「先生は、どうして先生になったんですか?」
「…それはだな、子供が好きだからだよ」
「月並みな回答ですね。」
「ほっとけ」
「知ってますか?」
「何を?」
「子供が好きだと答える教師の多くは、子供を嫌っていると言うことを」
「まさか」
「心理学的にかなりの確率でそうらしいですよ」
「はは、先生に限ってそれはないよ」
「まぁ、聞いてくださいよ、先生」
「なんだ?」
「先生は、先生と呼ばれて、何か感じることはありませんか?」
「いや、特にこれと言ってないが…」
「普通の先生は、そう呼ばれることで、優越感を感じるそうですよ」
「ははは、そうかもな。先生は…」
「『先生は違う』などと否定する人は、さらにその傾向が顕著らしいです」
「先生も…そうかもしれん」
「そのうちに、生徒をクズだのバカだの言い始めると危ないです」
「先生はそれは言ってないな」
「多かれ少なかれ、大半のダメな先生は内心そうおもうらしいです。」
「うぬっ…」
「先生は、そんな先生とは違いますよね?」
「…はっはっは。そりゃ、先生は違うさ!」
「…統計によれば、自分のことを先生と呼ぶ人が一番危ないらしいです」
「…その統計、見せてくれる?」

おわり。ごめんなさい。


2000/02/13 (日)
■約1万人
 そのメールの情報に寄れば、そのインターネットビジネスでの日本の会員数は約1万人だそうだ。というか、インターネット人口のかなりの割合が参加していることになる。それは凄い。凄いのだけれど、そんな話はちっとも聞かない。聞いてもねぇ…。まぁ、いいけど。

■普通の日記
 本日はセガのキーボードゲーム THE TYPING OF THE DEADをついぞ発見し、遊んでみた。
 キーボードと言っても音楽のではなくて、パソコンのである。
 要するにタイプ練習ゲーム in ゲーセンである。
 いやぁ、楽しかった。会社の先輩と数百円を投じてクリアするまでやってしまった。
 見かけた方は是非やってみてくれたまへ。なかなか笑える演出いっぱいだし。

■そんな今日は
 親父の一周忌でありました。礼服嫌い。儀式嫌い。お経嫌い。
 というわけで、本日の日記はこれでお終い。あ、あの、決して…
ハルカ「手抜きなのね」
−−いや、そんな!!
ノゾミ「…手抜き…」
−−ぐっ


2000/02/12 (土)
■ハロー・サンディベル(意味なし)
 コナミの音ゲー、「キーボードマニア」は、実際にキーボードをやっている人にこそ……というか、音楽のなんたるかを理解してキーボードを演奏している人にこそやってもらいたい気がする。
 このキーボードマニアには、フリーモードという「2曲(=ゲーセンによっては違うかも)だけ、ゲームオーバーなしで、自由に遊んでください」モードがあるので、そのモードにしつつ、コードにあわせてアドリブでガシガシと演奏しちゃうってことも、(音色の制約があるものの)出来るので、是非是非、降ってくる譜面とはまるで違う音楽を演奏しちゃって欲しいと思うわけであります。
 ちうか、たぶん、ちゃんとキーボード(ていうかピアノ?)やってる人にとって見たら、物足りない譜面なので、すぐ飽きちゃうし。
 すぱっと割り切って、ゲームから流れる伴奏に勝手にメロディを付けちゃうとか、そういう方向にしたら、有識者にはおもしろいのでわ?
 その際の注意事項としては、ノーマルモードで選択すると、1キーに複数音(というか、音色)が張り付いていて駄目駄目なので、リアルモードを選択してください。ということですね。うんうん。
 そうすれば、よっぽどの曲でないかぎり、普通にキー音が出るので、遊べます。
 と、支離滅裂な感じ。

■マリの続き。第五回。フィクション。
 マリとはその後、しばらく話をすることが出来なかった。彼女自身再びふさぎ込むことが多くなり、殻に閉じこもってしまった。
 学校を休むことはかろうじてなかったが、日本語の分からない彼女にとって、その高校生活は決して楽しく有意義なものではなかったはずだ。
 彼女は家に帰ると、俺の父親が彼女のために録っておいた、日本の子供向け番組を、うつろな瞳で眺めるのだった。俺はそんな彼女の姿を見て、心がきりきりと痛む思いだった。
 俺が英語を話せれば、彼女はこんなにも寂しい想いをしなくても済んだのかも。そう思えてならなかった。

 何とかして彼女とコミュニケーションを取る方法はないものかとあれこれと思い悩んだ。とりあえず俺には英語は出来そうにない。すると、通訳なりなんなりを間に挟むしか方法がない。身近にいる通訳者は、親父しか居ないことになるが、肝心の親父はここのところ仕事が忙しいらしく、会社の宿直室によく寝泊まりしている。
 となると彼女が日本語を勉強するか、俺が英語を勉強するかの二者択一になる……。無理だ。彼女が日本語を…というのが一番手っ取り早い気はするが、あの精神状況では…。
 一方、今までに5年近く英語を学んでおきながら、まったく会話の出来ない俺は、日本の英語教育の在り方に、少なからず疑問を抱いていた。俺の思考は、延々と、それら学校教育を否定し続けることになった。もうちょっとマシな教育をしてくれれば、こんな苦労することはなかったのに…。
 あーあ、ちょっと気晴らしに遊ぶか…。そしてイスに座ってフッと名案が思いついた。
「そうか、この手があった。これならいけるかも」
 思い立ったらすぐに行動。俺はそれを無造作に小脇に挟むとマリの部屋まで駆けていった。

「マリ、ちょっといいか!?」
 荒々しくノックする音に驚いたマリが、ドアから顔を出した。
 その彼女に対して、俺は中学生レベルの英語で質問してみる。
「どぅーゆーのーでぃす?これ、何か分かるか?」
 脇に挟んでいたそれを見せる。首が縦に動く。知っている!
「きゃにゅーゆーず? で、マリはこれを使えるのか?」
 さらに縦に動く。これならいけるかもしれない。俺の頭の中でひらめいたアイデアは、急速に現実味を帯び始めた。
「わかった。さんきゅーな」
 そして、さっさと自室にこもって、あれこれと検討を始めた。
 これなら明日に何とかなりそうだ。
 思いもかけず夢中になっていて、気が付けば朝になっていた。


2000/02/11 (金)
■むなしいけど…マリの続き(フィクション)
 次の日、マリは学校へ行かないかもしれない……。俺はそう思っていた。彼女は先の事件でかなり落ち込んでいるようだったし、仮に俺がその立場だったら、現実逃避しても仕方がない。そう思ったからだ。
 しかしマリは朝から妙に元気だった。それが空元気だと思えるほどのハイテンションぶりだった。
「ハァイ、ヒロシ!! グッモーニン☆」
 俺は片手をあげて「よっ」と返したものの、実際、彼女が元気になったとは、どうしても思えなかった。

 学校でも彼女はなかなかのハイテンションぶりだった。もしかしたら、彼女の中で何かが吹っ切れたのかもしれない。単純な俺は、昨日の出来事は忘れることにした。
 クラスメイトはクラスメイトで、英語のノートを持ってくることはなくなった。代わりに、数人の有志たちが、マリと英語によるコミュニケーションを図ろうと、いくつか質問する姿があった。マリはいつもと違う目の輝きを見せていた…ように見えた。
 マリにとって見たら迷惑なことかもしれないが、俺は、子を見る親の気持ちになっていたかもしれない。「今度こそ大丈夫だ」と、強く思ったのだ。

 しかし、その考えを否定する事件が、その晩に起きた。家でくつろいでいるマリに、アメリカから電話があったのだ。
 電話を受け取った父親(うちの家庭で英語が出来るのは、唯一親父だけだ)によれば、声は若い男性のそれであったらしい。
「詳しいことはよく分からんが、案外マリの彼氏かもな。がはは」
 そんな豪快に笑う父親の何気ない一言が引っかかった。意味もなく、妙に気になる電話だった。壁を一枚挟んだ廊下からかすかに聞こえる彼女の声が、気になって仕方がなかった。
 不意に立ち上がって、リビングを出ようとした。
「弘司、盗み聞きはいかんぞ」
「バーカ、部屋に戻るだけだよ」
 リビングを去る俺に掛かった一声を一蹴して、廊下に出た。

 何となく顧みた視界にマリが、廊下に力無く座っている姿が見えた。長い髪に表情は読みとれなかったが、一つ一つの言葉にも、いつもの張りがない。それに追い打ちをかけるように、去り際に目をやった彼女の右拳に、涙の跡が残ってるのを見てしまった。
「……なみだ…??」
 俺にはその涙の意味がすぐには理解できなかった。考えられる可能性がたくさんありすぎる上に、それを特定する有力な情報を何一つ持っていなかったからだ。この俺が。

 自室のベッドに横になり目を閉じてもなお、脳裏をよぎるマリの涙。
 彼氏の声を聞いてうれし泣き?
 それとも振られた?
 実は、アメリカの弟か兄からの電話?
 それとも単なる友達か。
 無意識のうちに、いろんな可能性を考えてしまう…。自分でも、どうしてそんなに気になるのか不思議なくらいだった。
 その後も、眠ろうとするたびに、あの涙の、ありとあらゆる意味を想像して、ろくに眠れなかった。
 しかし海外に出たことのないその時の俺には、有力な可能性…「ホームシック」という単語だけが、思い浮かばなかった。


2000/02/10 (木)
■こーみトマトケチャップ(デフォルト)

「だから、同時は無理だって言ったんだ!! だいたい、クリティカルパスがこれなんだ、これ以上はどうやってキャッシュしても無理なんだよ!!」
「無理とか何とか言う前に、やれ。」
「ちうか、3つも同時にできるかっちゅーねん!!」
「そんなん、マルチプロセッサならできるだろう」
「あのさ、一つ言わせてもらえば、3つ載せたからって、処理速度が3倍になるわけと違うのよ?」
「それじゃもっと増やせばいい。」
「金ないのにそんなこと言うな。ボケが。大体、品切れやっちゅーねん!」
「だったらお前が何とかしろ。寝ずにそれの子守をしてろ」
「無理やっちゅねーん!!」
「無理言うな! 命令じゃ!!」
「うぐぅ」

■久しぶりな人。
ハルカ「ぷっはーーーっ。久しぶりぃ〜。」
ノゾミ「忘れられてますよね…」
ハルカ「まぁ、バカみたいな文章ばっかりで、みんなめげてると思うけど…」
ノゾミ「でも、知ってました? トップページよりアクセス増加数が高いって…」
−−トップぺぇじからたどってくれぇ…。
ハルカ「下手な文章しかアップしてないヤツが、贅沢言うんじゃないわよ…」
−−うぐ。早速手厳しいよぅ。
ハルカ「あんた、仕事あるんでしょ? こんなところで遊んでる場合じゃないと思うけど…」
−−うぐうぐ。確かにそうです、ご主人様…
ノゾミ「…ご主人様って…??」
ハルカ「ふふふ」


2000/02/09 (水)
■死人に口なし
 (ひくしょん…れすぅ)

「動けっ、動けっ、動けっ、動けっ!!」
「ゲバ初号機、依然沈黙!」

ぐふぅ。なぜにうごかんのだ、チミはぁ〜。
おかげで彼女とのデートに間に合わないじゃないか!

『嘘をつくな…』
「うるさい、黙れ」
『嘘つきは、ぼぼぼーのはじまりなんだぞぅ』
「…黙って動けっ!!」

「うまく同調していないみたいね…」
「仕方がない。火野レイと交代だ…」
「しかし、レイは!!」
「構わん。少なくともクローンより役に立つ」

…だから何で動かないんだよぅ。
パパも怒っちゃったじゃないかぁ。
うぐぅ。空を見上げてKanonごっこやっちゃうぞぉ…。

「フッ……エントリープラグ、強制射出してしまえ。死ぬほど強制的に。」
「駄目です、信号拒絶! 受け付けません」
「ちっ。目障りな遊びなど、排除されるのが自然の摂理だろうにな…」
「…不潔…」

(だから、何よ、コレ)

■マリマリの続き
 次の朝から、俺はマリの笑顔をたくさん見るようになった。そして彼女の朝の挨拶と、少しオーバーなスキンシップ……絵に描いたようなアメリカ人の抱擁……の後、トーストと目玉焼きをうれしそうに食べるマリを見た。
 もう、大丈夫だと、妹の和枝と目配せをし、横目でマリを追いかけながら微笑んだ。

 学校へ行くと、相変わらずマリはおとなしいままだったが、以前に比べてクラスメイトと話している姿を見る機会が多くなった気がした。
「ねぇねぇ、マリ〜、これって合ってるかなぁ」
 複数の生徒が、入れ替わり立ち替わり英語のノートを持ってマリの元を訪れていた。ネイティブスピーカーだからといって、日本の入試用英語問題が解けるとは思えないんだが……。そんな心配をよそに、マリは苦笑しながら問題とにらめっこをしている。

 ある朝、マリと俺がいつも通り教室に到着すると、いつまで経っても懲りないクラスメイトが、マリの席にやってきた。
「ごめーん、マリ、ここ、教えてくれないかな〜」
 理由はどうであれ、マリがクラスになじむことを快く思っていた俺は、そんな風景がうれしかった。しかし…。ここで突然マリが切れた。
「!!!! !!!!!!!!!」
 早口でネイティブイングリッシュで何かをわめき散らし、教室から駆け足で去っていった。
「おい、マリ! どうしたんだよ!」
 突然のことに唖然としながらも、とっさにマリの後を追う俺。質問しに来た学生は、事の成り行きにぽかんと口を開けたまま身動きすらできなかった。

 マリは、屋上にいた。
 追いかけてきた俺の姿を見て、悲しそうな顔をした。
 満足に日本語の出来ない彼女は、俺に気持ちを伝えるのに30分ほどの時間を要した。その全体を要約すると、つまり、彼女は人であって、英語の辞典ではない。クラスメイトとは英語辞書としてのつきあいではなく、友達としてつきあっていきたい。それなのに、みんな自分のことを避けている。そういった孤立感から、思わぬ衝動が生まれてしまった…と、こう言うことらしい。
 俺は、俺自身の配慮のなさに苛ついた。クラスメイトと馴染んでいるとばかり思っていたのは、俺自身が日本人だったから、そう思っていただけだったのだ。
 彼女にとって見れば、そんな心のやり場のない上辺のつきあい、物質的、私欲的なつき合いなど、何の価値もなかったのだ…。

 マリは家に帰っても落ち込んだままで、しかし、俺は彼女に言葉一つ、掛けてやれなかった。


2000/02/08 (火)
■愛戦士ニコるるぅ(違う)

 誰かが尋ねた。
「どうしてそんなに一生懸命になるの?」
 彼女は言った。
「絆だから」
「誰との?」
 僕が尋ねると彼女は答える。
「みんなとの。」
 さらに踏み込む。
「みんなって、誰?」
 彼女は一瞬躊躇し、ためらい、悩み、肩をぴくっと揺らした後、
「ここをのぞく、すべての人との」
 と。

 だから彼女は更新を止めたくないんだと。
 忙しくても書き込むんだと。
 そう、言いたいのかもしれない。
 だけど、僕は思った。
 そんなのは無理だ。
 そんな約束は単なる欺瞞だ。

 何かを犠牲にするからこそ、
 書き込みが出来る。
 そう思う。

 彼女はそんな僕に一言。
「あなたは死なないわ。」
 さらに。
「……あたしが、守るもの…」

 って、なんやねん、コレ。


2000/02/07 (月)
■日記4000ヒット達成…
とりあえず、てぃやんくす。見てくれるすべてのシト。

■技術
 技術者には大きく分けてふたつの種類がいると聞いた。
 一つは、低次の挙動を楽しむ技術者。
 一つは、高次の挙動を楽しむ技術者。
 一般にちやほやされるのは後者であり、前者は自己満足の閉じた世界から抜け出せない人が多いらしい。
 世の中に求められているのは高次のアプリを開発できる人で、年を追うごとに大きくなる大規模ソフトウェア開発にも耐えられる人を指す。
 ソフトウェア産業にはどちらの人種も必要ではあるが、とりわけ近年では高次アプリケーションの開発が多くなり、ぎゃふん。ぶわーっ。

 あ、熱暴走。知恵熱。
 そんなこともあるような、でも、何か違うような。

■続き(眠いので短め…)
 マリの日本語習得に対する姿勢が悪いわけではない。まったく何も知らないまま日本にやってくることになった、その生活環境に問題があった。そもそも父親も母親も日本に来ているのであれば、何も俺の家にホームステイに来なくてもいいはずだ。
 それでもその形式を取らざるを得なかったのには何らかの理由があるのだろう。俺は、その疑問を口には出さないようにしていた。

 あまりにもなじまないマリに、少しでも元気を出してもらおうと、妹の和枝と相談し、マリをいろんなところにつれて回ることにした。
 彼女は、日本の文化に触れるうちに、少しずつではあるが笑顔を取り戻しつつあった。町の片隅の路地裏に建ち並ぶ平屋建ての古い建物、その横を流れる天然の井戸水。豪快に咲き乱れる桜色の花。そして、この町にある小さな水族館。その七色に輝く水魚の片鱗。
 そんなひとかけらずつの思い出を、マリに残してもらえたら、そして、そこから何かを感じ取ってくれたら…そう思った。

 だけど、一番マリを喜ばせたのは、ワクドナルドのハンバーガーだった。彼女はうれしそうにそれを頬張っていた。
「おいしイ。でモ、すこしアジ、ちがう」
 笑いながら、しかし、満足そうに笑う彼女を見て、俺は少し安心した。

 その後で家に帰り、彼女も俺たちも知っているカードゲームで楽しんだ。
 明日からはもっと、マリの笑顔を見られると、そう信じていた。


2000/02/06 (日)
■久美って、誰…
 (フィクション)

 転校生がやってくるらしい。噂にはいろいろあって、2メートルを超える大男だとか、口が裂けている魔女だとか、どこかの御曹司だとか、そんな何の裏付けもない話題で教室がごった返している。
 俺はその転校生のことをすでに知っていた。彼女は俺の家に半年間のホームステイに来たアメリカ人だ。うちの親が「これからは国際交流の時代だ」と言って、ホームステイ家庭として登録していたらしい。俺も、妹の和枝もそんなことは全く聞かされていなかったので、ビジターの受け入れ先「ホストファミリー」として選ばれたと聞いたときは本当に驚いたものだ。
 それから4日が過ぎ、今日、彼女は初めての登校となったわけだ。
 ざわついていた教室に先生が入ってくる。その後ろには金髪の女の子が付いてきていた。
「おおっ、外国人だぜ!」
 クラスの男子生徒が活気づく。担任が何か話しているが、まるで聞こえないくらいの騒ぎようである。しばらく後、彼女の自己紹介が始まった。それまでの喧噪からは信じられないほどの静寂が教室にやってきた。周りの男子生徒の誰からも、彼女の発する一字一句を聞き漏らすまいと言う気合いすら感じられる。
 壇上に立った彼女は、なれない日本式のお辞儀をしてから、
「はじメまシテ、マリでス。こんにチワ、ありがト!」
 と、曖昧な発音で、自己紹介を終えた。俺の家にやってきた外国人の女の子、マリは、日本語をまるで話せないのだった。

 これは仕組まれたことなのか、マリの席は俺の隣になった。その方が教科書やらなんやら、都合がいいだろうという学校側の配慮なのかもしれない。俺は、この前のテストで18点の男には荷が重すぎると反論したが、受理されなかった。
「ヒロシ?」
 授業中もそわそわと落ち着きのない彼女は、何かあると哀願するように俺に声をかけてくる。
「大丈夫。えーっと、大丈夫って何て言うんだっけ?? の、のーぷろぶれむ…??」
 バカ丸出しの英語と、顔見知りの俺の困った様子を見て安心したのか、マリは軽く笑った。

 休み時間になったらなったで、彼女は血に飢えた野郎どもと、野次馬と、物珍しそうに眺めていく生徒たちに囲まれてさんざんな事になっていた。当然、俺の席もその被害を受けている。
「ねぇねぇ、どこから来たの?」
「誕生日はいつなの?」
「血液型は?」
「どうして日本に来たの?」
「日本語はできないの?」
「そのブロンドの髪は染めてるの?」
 聞いているこっちが同情するほどの質問攻撃にも、マリは何も答えられずにうつむいていた。彼女は日本語のイロハをまったく知らないのだから無理もない。俺は面倒くさくも
「アメリカ、オハイオ州。7月21日生まれ、AB型、親の仕事の関係。天然。」
 と、ぶっきらぼうに答えた。

 それから1週間、彼女は相変わらず俺以外の人間と話をしなかった。(とはいえ、英語の分からない俺は、話なんてほとんど出来なかったのだが)。
 毎日毎日、彼女の席を埋め尽くしていた野次馬どもも、次第に興味が薄れたのか、それとも俺の愛想のない受け答えが功を奏したのか、彼女の周りから姿を消した。

 最後の野次馬が消えるまで、俺は彼女の代弁者として彼女の事を語った。それらはすべて親父から聞かされていた事ばかりだ。
「あー、ようやく寝れるぜ…」
 騒がしかった教室もいつも通りの冷静さを取り戻した。
 横から俺の肘をつついてくるマリ。何か言いたそうにしている。
「ん? どうした?」
 俺が英語を使わないのは、彼女のためを思ってのことだ。
「ありがト、ごめんナさい」
 彼女は彼女なりに、自分の意思を伝えようとがんばっている。外国人は他人のことを配慮しない。そう聞かされていた俺には、この彼女の行動は意外に思えた。
「いいって。気にするな。」
 ぽんぽんと肩を叩いて励ましてやる。

 それからさらに数週間が過ぎ・・・。
 相変わらず彼女の日本語の語彙は少なかった。

■あう
 おもしろいネタが思いつかなかったので、没っているネタをいきなり採用…
 続きを書くかどうか、不明です。


2000/02/05 (土)
■そういえば、去年はナシをほとんど食べてない…
 (今日もまたフィクションです)

「人類の歴史は、分類の歴史である。」
 私が常日頃から感じていることだ。そもそも人はある事象を捉えるときに、まずその事象がどういうジャンルに当てはまるのかを分類する。自分に関係の強いものであるか、それは生きていくために必要不可欠な事柄か、人間に関することか、それとも動物か、植物か。
 その分類をしたのち、分類を見て「これは○○に関する事象だ」と、大局的な視野から順に、その裾野へと降りていく。つまり、より細かな分析に入るのである。
 言語学的視野から見ても、それぞれの文化圏における名詞の有無などの例から明らかである。名前は、それを言葉に出して表現する場合の最小の構成要素だ。人と人とが相互の誤解無くコミュニケートが可能なのは、事象に対する共通の認識と、その名称を知っているからこそ成り立つのだ。
 例えば、「ホウジャク」と言われてピンとこない人に、「それは蜂の一種」と説明してやれば、なるほどそういうことかと納得してもらえる。蜂という分類が共通の認知として存在しているからだ。
 これが「蜂ってなに」と言われるような無知な人であれば、もう一段階上の抽象された段階にさかのぼる必要がある。
 「昆虫で、羽が2対あって、雌は毒針を持っていて人を刺すことがある」と、その外観や特徴を説明して、それらをまとめて「蜂」と呼んでいることを説明せねばなるまい。
 生物学や動物学といった学問はまさにこれらの名称を必死になって一意に定めようというもくろみから始まっていると考える。

 そもそも人間にとって不必要な事柄に名称など必要ないのだ。抽象化された一般的な俗称を知っていれば、分類学上の細かな学識名称を覚えなくともコミュニケーションに不都合はない。
 これは、南国に、冬の寒い時期に用いるような言葉は必要なく、海に接していない内陸部に、津波やそれに関する警告などの専門用語も必要ないということでもある。
 言葉というものは、それぞれの文化、時代背景、地理的状況、気候、など、様々な面から多岐に枝分かれして、膨大なバリエーションを生み出していると言える。
 一般に外国語を学ぶのが困難なのは、そうした言葉が生まれる背景を知らずして、言葉だけを追いかけようとするからである。

 また、新しい技術分野において、人々が新しい名称の登場に混乱するのは、それぞれの人に「分類上の位置」が伝わっていないからだと私は強く言いたい。
 最近めざましい発展を遂げるコンピュータの世界で、優秀な開発者が育たないのもまた、日々乱立し増殖する新しい言葉が、全く分類もされずに開発者に提示されていることが問題である。
 これを回避するもくろみとして、ようやく最近それらしくなってきたOOPというパラダイムもまた、人間がもともと「分類して認知する」と考える、私の理屈に大きくかなっている。オブジェクト同士の相互作用に基づいて、アプリケーションプログラムを構築しようと言うのは、まさに自然な流れである。
 彼らはもっと、分類学を学ぶべきだと私は思う。
 それでなくして、私の求めるような、熱く、燃えるようなメガネっ娘類に属するギャルゲーが生まれてこないではないか!!
 メガネっ娘、万歳!!

■個人的メモ
 僕は、メガネっ娘に触手が動くことはない。


2000/02/04 (金)
■高野豆腐っていうの?? なんか、苦手。(本文とは関係ありません)
 (本文はフィクション(昨日の続き)です)

 目が覚めれば夢オチだ…そう思っていた。
 まず、目が覚めてから、昨日買っておいた食材をそのままゴミ収集場所にだし、喫茶店で軽く朝食を摂った。そして、一応皆勤である仕事へと出かけた。
 雑居ビルの建ち並ぶ繁華街にある小さなオフィスが僕のつとめる会社だ。従業員は20人くらいで、敷地面積の割にはたくさんのデスクが並んでいる。オフィスのドアを開けて元気に挨拶をする。この元気はいやなことを忘れるための空元気だ。
「おはようございますっ!」
 見慣れた同僚が僕の顔を見て何事かと振り返る。そのうちの一人、受け付け事務の麻美ちゃんが声を返してくれる。
「あ、おはようございます。」
 そして、さらに続く。
「申し訳ございません。まだ、始業時間前なんですよ。10時にもう一度お越しいただけますか?」
「え? あの、僕……あ、いや、そうですか。すみません。ちょっと早く来すぎてしまったようで。出直してきます。」
 どうして気がつかなかったんだろう。昨日、自分の家がなくなった時点でそれに気がつくべきだった。
 居ても立っても居られなくなった僕は、すぐに自分の存在を確認するための行動に出た。

 インターネットカフェ。普段は絶対に使わない場所だ。500円で珈琲1杯と30分のネットサーフィンが楽しめるこの場所で、僕は自分が開設したホームページを確認しようとした。
「えーっと、アドレスは…http://www……っと。」
 回線をけちっているのか、なかなか表示されない……出た。
「404 Not Found...」
 僕の施設ホームページは、無くなっていた。
「バカな! そんなはずは!」
 にわかに信じがたい現実に、苛ついた。その後、友達、知人のホームページをくまなく見て回り、僕の痕跡がないか調べたが、どこにも僕の存在は認められなかった。

 カフェを後にして、市役所に住民票の確認に行く。しかし、僕は居ない。
「あ、実家に電話すれば何かわかるかも!」
 早速電話ボックスに駆け込んで、実家の番号を押す。
「……その番号は現在使われておりません……」
 そんなバカな。こんな事があっていいのか? アレか。僕は知らない間に次元の狭間に紛れ込んで、パラレルワールドに来てしまったのか? そんなこと、本当に起きるというのか。”僕が存在しない世界”にとばされてしまったとしても、家族さえ居ないというのはどういうことだ? まさか”僕の一家”がすべて消滅してしまったのだろうか??
 他に何か考えられないだろうか。たとえば、そう、何かのテレビ番組で、素人の僕を驚かせてその様子を見るとか、そういうことはあり得ないだろうか? 日頃から、冴えない僕のことだ。関係者から見たら格好のカモに違いない。しかし、それもまた考えづらい…。
 こんなのはどうだろう? 実は僕は死んでいて、その死を受け止められずにいる浮遊霊……待て待て。それはやっぱり飛躍しすぎだ。

 延々と思いめぐらせているうちに、一晩明かした公園に戻ってきていた。
 何をするでもなく、何となくブランコに乗ってゆらゆらと揺れてみる。
「(ブランコって、こんなに楽しかったんだ…)」
 心洗われるようだった。
「お兄ちゃん!!」
 童心に返っている僕の背後から声。誰だろう…。
「よかった、やっと見つけた…なんでこんなところにいるのよ。」
 見ず知らずの女の子がなにやら僕に話しかけている。
「お父さん! 居たよ、お兄ちゃんが!」
「そうか。こんなところに…。まったく、少しはこっちの面倒も考えてくれよ」
 見ず知らずのおじさんもまた、僕に話しかけている。
「あの、どなたですか?? お二人ともどなたかと勘違いされているのでは?」
「あー、お兄ちゃん、また始まってるんだ…」
「知枝、お前はもういいから車で待ってなさい」
「はーい」
 知枝と呼ばれた女の子は、素直に車に戻っていった。この見知らぬおじさんは、相変わらず僕の目の前に立っていた。
「すまないね。いまうちの息子が行方不明になっていてね。あまりにもあなたがそっくりなもので」
 それは大変だ。さぞ心配だろう。
「そうですか、いや、僕は大丈夫です。息子さんを捜してあげてください。」
 僕はこの家族の気を遣わせたくなかった。
「あ、すいません。ちょっと電話が。」
 おじさんはポケットから携帯電話を取り出すと、二言三言話をして、電話を切った。
「すみませんね。うちの息子、見つかったみたいです。」
「あ、それは良かったですね。さぞ心配だったでしょう? 早く帰ってあげてください」
 僕は心底そう思った。
「いや、息子はいいんですよ。それよりもあなたは、何か心配事があるんじゃないですか? とても落ち込んでおられるようですが。これも何かの縁です、もしよろしければ相談に乗りますよ?」
 暖かい人柄に、僕は涙が出そうになった。見ず知らずの人が、こんなにも親切にしてくれるなんて…。気がつくと、僕は自分の身に起きた不思議な出来事を、この男性にあらいざらい話していた。

「そうですか……そんなことが……。もしかしたら、お役に立てるかもしれませんよ。」
「本当ですか??」
「ええ。私の友達に腕のいい占い師が居ましてね。あ、占い師と言っても普通じゃないんですよ。超能力とでも言うんですか? この前競馬の勝ち馬をピタリと当てましてね、あの大きな車も、そのときのお金でですね…」
 そのあと5分ほど、その占い師の経歴を聞かされた。驚いた。最近の事柄をすべて言い当てている。それならば、僕のこの状況も打開してくれるかもしれない。
「そんな素晴らしい方に占っていただけるなら、是非お願いしたいです。」

 その後、僕はおじさんの車に乗り込み、1時間ほど揺られてある建物で下ろされた。
「ここです。」
「え? でもここは…」
 看板には”仲道精神病院”とかかれていた。
「さぁ、行きますよ」
「いや、僕は別に精神異常というわけでは…」
「場所は気にしないでください。」
「でも……」
 突然、おじさんとその娘さんの態度が急変した。
「まったく、こうもできの悪い息子を持つと、親の身がもたんよ…」
「お兄ちゃん、さっさと入ってよ!」
 ちょっと待ってくださいよ…・・・僕はどこもおかしくないんです…
「それに、あなたさっき『息子は見つかった』って…」
「ああ、それは」
「何? お兄ちゃん、あんな下手な芝居、信じてたの??」
 芝居だったのか?? 僕をここに連れてくるための? そんな…。

 その後、僕は特別病棟に入れられて、外界と完全に隔離された。
 彼らによれば、僕は彼の息子で、彼女の兄だということだ。
 普段から夢見がちで、あること無いことを妄想して過ごしているという。
 しかし、僕は何も変じゃない。至って健全だ。
 それなのにどうして、こんな、何もない病室に入れられなければならないんだ…。
 僕は…おかしくないんだ…


2000/02/03 (木)
■良い良い(すでに日記ではありませんな…)(これも日記ではないですフィクション)
 僕が一人暮らしを初めてから、かれこれ6年と数ヶ月になろうという今日。会社勤め、一般的に言われる『サラリーマン』になってから4年がすぎた。
 本格的に勉強するつもりもなく、それでいて就職もしたくなかった僕は、2年制の短期大学を志望し、何の盛り上がりもなく卒業し、平凡なサラリーマン業を営んでいる。
 それほど有名な大学でもなく、しかも2年制だったということも重なって、月々の収入はたかがしれていた。それでも毎日、何不自由なく暮らせるいとまある日々というのは悪くない。東京近郊でありながら2部屋バス・トイレ・キッチン付き家賃3万5千円の格安ボロアパートに暮らしていくことさえ目をつぶれば、仕事もがんばれるというものだ。

 今日もまた、午後5時きっかりに仕事を切り上げて帰宅した。途中でいつも通い詰めの八百屋で売れ残っている食材をまけてもらって食料を確保。あとは軽く調理して腹に収めて寝るだけだ。
 アパートに到着し、いつも通り郵便受けをのぞく。一人暮らしを初めてからダイレクトメールと支払い請求書以外の郵便物を受け取ったことがない僕は、それでもなお人恋しさから郵便受けを欠かさずチェックしていた。
「(あれ…)」
 今日は、やけにたくさんの郵便物が入っていた。全部で7通。どれも見慣れない封筒。差出人は……知らない人だ。
 気になってよく見てみると、それらはすべて僕宛の郵便ではなく、全く知らない人へ宛てた郵便だった。住所は……たしかにここのようだ。
「(4年も経ってるのに、今さら誤配?)」
 明日会社に行くときに誤配の旨を書き添えてポストに投函することを決めた。

 105号室。自分の部屋につく前にポケットから鍵を取り出して、ドアの前に立つと同時に鍵穴に突っ込む。4年間、2500回以上繰り返した動作にはいっぺんの狂いもなく正確無比……じゃなかった。
「アレ? 鍵が回らない…」
 ガタガタと取っ手を引っ張ったり回したりしてみるが、どうも鍵が回ってくれない。隣人に見られたら恥ずかしいな…と思いながら5分ほど格闘してみる。
「…だめだぁ。壊れたかなぁ。さすがにボロアパートだけあって…」
 そんなことを思っていると、買い物袋をぶら下げた女性が近づいてきた。
「(うわ、恥ずかしいところ見られちゃったかな…)」
 ドアの前でうろうろしてごまかしてみる。早く通り過ぎてくれないかな…。
「あの……」
「は、はいっ?」
 予想外に声をかけられて裏返った声で返事をしてしまった。どこまでも情けない僕だ……今日はついてない。
「……何か、ご用でしょうか…?」
 え? いや、ご用というか…。
「…ぼ、僕??」
 きょろきょろとあたりをみまわしてみても、僕以外に誰もいない。間違いなくこの女性……いや、女の子というほうが適切か……は僕に質問している。
「…あの、ここ、私の部屋なんですけど、何かご用ですか?」
「は??」
 明らかに怪訝そうなまなざしで僕をにらむ。
「…えっと、あ、ここは105号室じゃなかったんだ。ごめん、間違えたみたい」
 とっさに自分の行動を反省してあやまる。そうか、だから鍵もあわなかったわけだ。
「…105号室ですけど…。私、105号室の麻生です。」
 冷静になれ。僕のアパートは、105号室、一番南側の部屋だよな。ここは、間違いなく僕の部屋だぞ…。待てよ? 麻生……麻生…どっかで見かけた名前…あ、さっきの手紙!?
 不意に手にしていた7通の手紙を見てみる。すべて麻生真弓という女性に宛てたものだ。
「…その手紙…」
 女の子の不信感を倍増させる行動だった。とっさに、
「あ、ああ、あなたが麻生さんでしたか…。僕、2階に住んでるんですけど、これ、僕のポストに入ってましてね…」
 彼女は半信半疑のまま郵便物を受け取ると、ありがとうございます…と一言告げて105号室に入っていった。
 ちらりと見えた部屋の中は、確かに女性らしい家具などが並んでいた。
「あの、麻生さん……失礼ですけど、いつ頃からここにお住まいなんですか?」
「…今年で4年目くらいになりますね…確か、1996年に越してきましたから」
「そうですか…」
 恐ろしくもそれは、僕が越してきた年と同じだった。何がどうなってそうなったのか、さっぱりわからない。
 迷惑そうな顔をしている彼女をこれ以上止めて置くわけにも行かず、とりあえず近所の公園で一夜を明かすことにした。


2000/02/02 (水)
■いや…そうじゃなくて
人はスピードを追い求め、可能な限り速いマシンを造り出す。
しかし、加速と同じくして、減速もまた、非常に重要であることを忘れてはならない。

「制御不能! プロポーショニングバルブにA7の破損!」
「ツインキャリパーの内部温度上昇中! 止まりません!」
「シェイク発生! アンチバイブレーション緊急作動!」
「保蛇できない!」
「コーナリングフォース急激低下! 対スピン体制をとれ!」
「バキュームブースタ停止! そのほかの機構もすべて停止しました!」
 6人のオペレータは10秒の間息をつく暇を与えぬ猛ラッシュで、次々と現状報告をした。何の事やらさっぱりな単語の羅列ではあるが、どうやら「もう、止まれません」と言っているらしい。
 バカにするな、そんなことくらい報告されなくても見ればわかる。しかし、このまま何もせずにいれば、あと数秒もで確実に死に至る。
「全機構の強制冷却。3秒間の冷却と、2秒の制動を交互に!」
 バカどもに指示を出してみる。どうなったってかまわない。投げやりなこの艦長は頭の悪そうな女の子だ。乗務員は皆、高校生らしい制服を着ている。
「ちょ、ちょっと待ってください! そんなことしたらコイツの寿命が縮みますよ!」
 派手に操舵パネルを叩きながら叫ぶ男子生徒。無理もない。
「うっさいわねぇ、黙って私の指示に従ってればいいのよ!」
 そして、3秒の冷却と2秒の急制動が試される。ガックンガックンと機体がが揺れ続ける。このアホみたいなアイデアでスピンしないですんでいるのは、操舵士のGが居たからだということを、誰も知らない。
「あんたら、止まる気あるのぉ!?」
 ちっとも減速する様子を見せないのに苛立ててバカ艦長が叫ぶ。乗組員の誰もが内心ぶち切れそうになっていたなどとは言うまでもない。
「…そこ、左です…」
 ぼそっとつぶやく声。レーダーをずっとモニタしているQだ。驚くなかれ、彼女(彼ではないのだ!)は、レーダー士特殊第2大型技術技能試験をわずか10歳でクリアしてしまった最年少記録の持ち主だ。そして、彼女は今中学2年生、14歳。
「…あのねぇ…んじゃ、急速左旋回やっといてぇ。」
 もうちょっと早く言いなさいよ…どうせアンタのことだからずっと前から知ってたんでしょ? なんて愚痴は言わないのが艦長のわずかながらの長所かもしれない。
「出来るか! アホ!」
 誰かがキレた。そりゃそうだ。これだけめいっぱいブレーキングしている最中に急旋回したら、誰が考えたってスピンするに決まっている。
「それをやるのがアンタらの仕事でしょ!」
 と言うか言わないかのうちに、迫ってきた物体に接触した。
「「「「ぐわーーー。」」」」
 やっぱりね。と、艦長が最後につぶやいた。みんな闇の中に放り出された。


「ごくろうだった。シミュレーション第一課程はこれで終了だ。」
 館内放送が響く。真っ暗だった部屋に明かりがつく。
 おとなしくなっていた生徒たちは、みな艦長に一瞥くれてやりながら教室を去っていった。
「艦長役のDは残れ。」
 冷たい声。
「ええっ、あたし? なんであたしなのぉ?」
 バカかお前は。

 教室に一人残されたDは、柄にもなくしょんぼりとしていた。今日はまっすぐ帰って、最近私的お気に入りのアッ君(どうやら、芸能人らしい)のライブをチェックする予定だったのに! とブツブツ言っている。
「D、今回の演習の反省点は?」
 教室に講師の声が響く。
「…あたしは、カンペキだったわよ。あいつらがちゃんと止まらなかっただけで」
 お前はこの期に及んでまだそんなことを…。きっと同じ組で演習をした彼らならそう突っ込むところだろう。
「では、初速をこの値に設定したのは誰のアイデアだ?」
「あたしです。」
「そして、この制動システムを決めたのは?」
「それも、あたしです」
「彼らを指示していたのは?」
「全部、あたしです」
「で、この責任は?」
「……んもーーわかったわよ! はいはい、あたしがぜぇ〜んぶ悪いのよね。ふんっ。大体、こんな試験何に役に立つのよ! 7.56パーセクも離れたとこ行くのに、亜光速でって思うのが普通よ! ったく。こんなボロい設定で空を飛ぼうなんて、頭悪いんじゃない?」
「……」
 Dはこの沈黙を誤解し、勝利を確信した。へっへーーん、あたしの勝ちねっ、とばかりに左手を腰にあて、右手人差し指で鼻面をぐしぐしっとこすった。
「では、D、本日で退学だ」
 違った。
「ほえ?」
 バカはやっぱりバカだった。
「なんでよぉ」
 わからんのか。
「なんとか言いなさいよぉ」

 誰も答えず、誰も見送ってくれないまま、Dはこの学園を去っていった。
 そのころ、同じ乗組員だった全員は、ドンチャン騒ぎだった。


2000/02/01 (火)
■クオーム
「あーあ、一日が26時間だったらいいのになぁー」
 今日もすがすがしい一日の始まり。くぅーーっと背伸びをして庭でひなたぼっこをしている猫さんに朝の挨拶をする。そして、U君がやってくる。いつもと同じ時間、いつもと同じように。
「おはよう。またそんなこと言ってるの? 残念だけど、一日はどうやったって28時間なんだよ。」
 ほらね、いつもと同じ、そんな台詞。
「だけど、人間の体は26時間サイクルで出来てるっていうじゃない。」
 これも、いつもと同じ。私はウキウキしながらU君との会話を楽しむ。
「そうかもしれないけど、一日は28時間、1年は312日って決まってるんだよ。」
 そんな決まり事なんか、私は知らない。
 だって、私は1日がもっと短かったら、こんなに朝早く目が覚めてしまうことなんてないと思うから。
 U君は丸くなっている猫さんを抱き上げると、ふいっと私の頭に猫さんを乗っける。
「まぁ、昔はもっと短かったらしいけれどね」
 あれ?いつもと違う台詞。
「ホント!?」
 いつもだったらU君は、何も言わずにアルバイトの牛乳配達に行ってしまうのに…。
「うん、本当だよ。地球の自転がもっと速かったときにね。お昼とか、今よりずっと涼しくて、夜は今よりずっと暖かかったんだって。」
 物知りなU君……ぽーーーっ……すごいですぅ、U君、かっこいいですぅ!!
「すごいっ、すごいっ!!」
 私はU君に飛びついてU君の胸にすりすりした。
「ちょ、ちょっと〜、Pちゃん、やめてよ」
 照れながら笑うU君……かわいいですぅ!!
「それじゃ、僕はバイトがあるから。行って来ます」
「行ってらっしゃい〜ですぅ」
 あぁ、まるでかっこいい旦那様を見送るかわいいお嫁さんみたいですぅ…。
 そして、私はまた明日、そのU君と会うために今から寝るのですぅ。
 おやすみなさい…ですぅ。



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