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2000年3月日記に掲載
拉致監禁
つつかれて丸くなったダンゴムシが何十匹といた。
無邪気につつき続ける少年は、周りが徐々に薄暗くなっていることに気づかない。
「なにしてゆの?」
同じように公園で遊んでいた少女が声をかける。
「ダンゴムシで、遊んでいるんだ。」
「たのしい?」
「楽しいさ。この虫けらどもが、僕を恐れて丸くなっているんだからね」
少年は続ける。
「将来、僕はこんな風に、世の中を手中に入れるんだ」
「そんなこと、できゆの??」
少女は、話の内容を理解していない。
「できるさ。そうだ。君も、僕の仲間に入らないかい? 楽しいよ?」
問いかけに、目を輝かす少女。おそらく少女には、新しい友達が出来る事への興味しかなかっただろう。
「ほんとに?」
「ああ、本当さ。ただし、お母さんがどんな人か、見てからだけどね。」
「どうして?」
「そうだな。あえて言えば、君が将来、どんな風貌になるかが知りたいってことかな」
「よく分からない」
首を傾げる少女。少年はほくそ笑む。
あたりでカラスが鳴き始める。空には数匹のコウモリが飛び交っている。
「さぁ、もう帰らなきゃ。世界を支配するには、今から準備が必要だからね」
「よく分からないよ」
少女は、困惑した表情で少年に問いかける。
「じゃぁ、ついてくるといいよ。何もかも、教えてあげるから」
「うんっ!」
こうして、少女は、少年の後に付いていく。
「よっしゃ、一人確保!」
「え? 何を言ってゆの??」
「あ、いや、なんでもないよ。うん。なんでもないんだ」
そして、10年間、拉致したそうだ。
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